水と安全はタダ。昔そんな言葉を何度か聞いたことがあるが、もはやジョークになってしまった。2023年の今、多くの人たちがいまだに「日本は水が豊富である」「水道をひねれば安全な水が飲める国」と思っているが、実際のデータを見てみると現実は全く違うようだ。
国土交通省のHPには、日本は一人当たり降水量が世界で3番目に低い、しかし一人当たりの水の消費量(生活用水のみ、工業用水は除く)は世界で第2位。これだけでも水が潤沢な国ではないことを示している。今後気候変動がさらに過激になり、雨が降らない日が長く続いたりすれば、日本は深刻な水不足に悩まされることになりそうだ。
各自治体のHPや地方新聞を見ると、大阪、名古屋、神奈川、沖縄を始め、あちらこちらでPFOS、PFOAという発がん性物質が基準値の何倍も検出された記事が出ている。しかしその地域の住民に聞いてみると「知らなかった」という返事ばかり。ほとんど話題になっていないようだ。
またその他の地域でも、日本の基準はクリアできているが、アメリカの水質安全性新基準で見るとはるかにオーバーしている地域が少なくないようだ。もどかしいのは自治体が住民から水質検査の要望を拒んでいてハッキリしたことがわからない地域が多いこと。
農薬の基準も日本の基準は世界水準からみると非常に甘いことは徐々に知られてきているが、水の安全性についても世界基準でみると「安全」とは言えないレベルになってきている。次の世代やその次の世代が健康で安心して暮らしていくためには、このままではマズイと思う。