SNSを使って無料で販売促進する!のは低予算でできるマーケティング手法としては確かに有効で、小規模企業の経営者なら「売れるキャッチコピー作ろう!」「高額商品つくろう!」なんてお誘いについ乗ってしまうだろう。私自身も小規模経営者向けのキャッチコピー講座の広告が最近あまりにも目立つので、10講座程度受けみてみた。ある程度想像はしていたが、ほとんどが「ウソをついて人を集める方法」だ。景品表示法・不当表示防止法で言う優利誤認・優良誤認を招くもの。つまるウソをついて人を集めようというテクニックだ。多くの講座の講師はこれらの法律も知らないのだろう。また講座に集まってくる人達もほとんど素人に近い人たちだから、固いことは気にしなくてよい、ということかもしれない。ただこういう広告手法が蔓延ると、人々は広告をますます信じなくなる。また甘いメッセージを信じて商品を購入し、使ってみたらメッセージしていたレベルには程遠いものだったとなれば、当然信用されなくなる。法律違反かどうか、よりも、キャッチコピーを見て来た人たちから信頼されなくなることは小規模企業にとって致命的だ。レストランで綺麗な写真のメニューを作って、注文してみたらショボいもの(日本ではこれが多いが)が出てきたら、誰ももう注文しないし、その店にはいかなくなるはずだ。
テレビショッピング大手も某社も視聴者に誤認させるキャンペーン価格で措置命令を受け、新聞に大きく謝罪文を掲載した。若者に人気の化粧品会社も、効果が説明できない商品を販売して措置命令を受けた。大手企業なら措置命令を受けた商品以外で食いつなぐこともできるし、謝罪文を出して再出発もできるが、小さい企業にとっては致命的で、一気に経営危機に直面することになる。
キャッチコピーでバズる方法教えます!売れるキャッチコピー作ります!といった誘いに乗るのはよいが、お客様に敢えて過剰な期待をさせるようなメッセージをしないこと、お客様の信頼を失わないこと、は持続可能な経営を実現したいなら不可欠だ。併せて、景品表示法・不当表示防止法で定めている内容には数回目を通してみることは事業者の責任として当然やるべきだ。
以下は東京都のホームページから。日本にはもう“三方よし”なんて遠い昔の話なのでしょうか。こんな経営者ばかりだと消費者は安心して商品サービスを購入できなくなるから、購買意欲を失いますよね。「失われた50年」になってしまう。